HA407 モリブデニルジアルキルジチオホスフェート

1. 説明

CAS: 72030-25-2
化学式: (MoSO)2[S2P(OR)2]2

モリブデンジアルキルジチオリン酸塩は、潤滑剤添加物として優れた摩擦低減特性を持っている。主に高負荷摩擦面でモリブデンジスルフィド（MoS₂）やリンおよび硫黄化合物を形成することで、金属表面をカバーするナノスケールの保護膜を生成する。この結果、摩擦係数を大幅に低下させ、耐摩耗性能を向上させることができる。同時に、極圧条件下で硫黄とリンの極圧膜およびモリブデン三酸化物膜を形成し、潤滑剤の極圧負荷容量を強化し、金属表面の損傷を防ぐことができる。その抗酸化特性により、オイルの酸化を抑制し、スラッジやワニスの発生を減少させ、オイル交換間隔を延ばすことが可能になる。また、有機モリブデンは、吸着と堆積を通じて耐腐食層を形成し、金属部品をサビから守ることができる。さまざまなベースオイルや他の添加剤（分散剤や抗酸化剤など）との互換性があり、エンジンオイル、ギアオイル、油圧オイルを含む多様な配合に適している。

2. 用途

エンジンオイル: ピストンリングとシリンダーライナー間の摩擦と摩耗を低減し、エンジン部品の寿命を延ばすことで燃料効率を向上させる。高負荷ディーゼルエンジンやターボチャージャーエンジンに特に適している。

ギアオイル: 自動車のトランスミッションや産業用ギアシステムで使用され、極圧膜を形成してギア表面の微小ピッティングのリスクを低減し、微小ピッティング耐性を向上させる。

油圧オイル: 高圧油圧システムのポンプやバルブの摩耗を低減し、システム圧力の安定性とスムーズな運転を確保する。

産業用潤滑油: コンプレッサーオイルおよびウェイオイルを含み、工作機械やプレス機器などの高精度機械の潤滑と保護に適している。

グリース: 添加剤として、極圧および高温安定性を強化する。推奨量は1.0-3.0%である。

3. 推奨使用量

摩擦調整剤: 0.5-2.0%

抗酸化添加剤: 0.5%-1.0%

4. 特性

5. パッキング

ドラム/ IBC