HA561チアダゾール誘導体

1. 説明

CAS: 59656-20-1
分子式: C26H50N2S5

チアジアゾール誘導体は化学構造が潤滑剤添加物として環境に優れ、多機能性を有し、合成の工程でリンや亜鉛など有害元素を含まない無灰処方が伝統的な添加物（ZDDPなど）による三元触媒コンバーターへの毒性効果を回避し、低灰、低硫黄、低リンの現代潤滑剤の環境保護要件を満たしています。酸化生成物がスラッジや沈殿物を形成せず、環境汚染や設備摩耗のリスクを効果的に低減します。

機能特性に関しては、チアジアゾール環の窒素及び硫黄原子と金属表面との間に化学吸着膜を形成することで油膜の負荷容量を大幅に向上させ、潤滑剤に優れた極圧耐摩耗性を与え、特に歯車油や油圧油などの高負荷条件に適しています。また、その抗酸化作用は油の酸化劣化を抑制し、酸価の上昇を抑え、特にタービンオイルやエンジンオイルの高温環境で顕著です。さらに、酸化プロセスを通じて環境汚染と設備の摩耗のリスクを低減することができます。

活性硫黄が銅合金に与える腐食作用を中和し、ベアリング、バルブなどの重要部品を保護し、金属の腐食抑制の複数機能の相乗効果を実現します。堅固な分子構造により高い熱安定性（いくつかの製品の引火点は130℃以上）を備え、高温、高速、真空などの過酷な作業条件下でも安定した性能を維持し、航空潤滑油や高温産業機器の潤滑に適用可能です。

液体状のチアジアゾール誘導体は基油中で均一に分散でき、希釈が不要で扱いやすく、粉塵汚染を回避し、フェノール及びアミン系抗酸化剤と組み合わせた場合には抗酸化性及び清浄性を相乗的に強化できます。例えば、ZDDPと組合わせた使用時には加水分解のリスクを減少させ、優れた適合性を示します。

2. 用途

エンジン油:リン含有抗酸化剤（例：ZDDP）を置換し、ガソリン／ディーゼルエンジン油で使用され（推奨添加濃度0.03％～0.1％）、ピストンリングへの炭素堆積物を抑制し、オイル交換間隔を延長。

自動変速機フルード（ATF）:高温酸化安定性を改善し、スムーズなシフトを維持。

工業用潤滑剤

歯車油／油圧液:重負荷の歯車や油圧ポンプに極圧保護を提供し、酸化による粘度異常を低減（産業用歯車油に0.1％～0.5％添加）。

タービン油／熱伝達油:高温循環システム（例:発電機タービン油）で使用され、堆積物の生成を抑制し、設備寿命を延長。

特殊潤滑剤

航空潤滑油:広い温度範囲と高真空環境で潤滑性能を維持し、航空エンジンと精密機器の信頼性を向上。

グリース:添加後の高温安定性を強化し、ベアリング、チェーンなど長期高温運転機器に適し（添加量1.0％～2.5％）。

金属加工液:切削油、焼入れ油などで使用され、加工中の酸化副産物の生成を抑制し、工具摩耗を減少させ、加工精度を改善。

3. 推奨用量

摩擦調整剤:0.01％～0.5％

4. 特性

5. 梱包

ドラム／IBC