粘度とは、流体の「厚さ」または「薄さ」、つまり流動に対する抵抗を指します。潤滑油の粘度は、移動部品間に形成される油膜の質に直接影響を与えます。

温度が上昇すると潤滑油は薄くなり、低下すると厚くなります。この変化により、低温始動時の潤滑不足や高温時の油膜強度低下といった性能問題が生じる可能性があります。
粘度指数(VI)とは?
粘度指数とは、潤滑油の粘度が温度変化に対してどの程度変化するかを測定する指標です。
つまり、粘度指数が高いほど、極端な温度環境下でも優れた性能を発揮します。特に温度特性が重要なアプリケーションでは、高VIが不可欠です。
VI向上剤の導入
高粘度指数を実現するには、VI向上剤と呼ばれるポリマー添加剤を使用します。これらは温度変動による粘度変化を最小限に抑えます。
低温時にはVI向上剤が緊密に巻き付き、高温時には拡張して油の粘度と潤滑性を維持します。
VI向上剤の種類
用途に応じて最適なVI向上剤を選択します:
これらの選択には粘度指数の目標値が大きく影響します。
VI向上剤の科学的メカニズム
VI向上剤は長鎖ポリマー分子で、温度変化に対して「スマート分子」のように振る舞います。油温上昇時にスプリングのように拡張し、抵抗を増加させます。
この柔軟性により、凍結する朝の始動から高温エンジン条件まで、一貫した保護を提供します。
VI向上剤がエンジン油に不可欠な理由
エンジンは極端な温度変動下で作動します。VI向上剤がない場合: